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研究意義

(1) 動画データベースの意義

舞踊を対象とした大規模な動画データベースは、 以下のような目的に活用することができます。
  • 教育 : ダンサーの学習、技法の継承のために
  • 創作 : 新しい作品の振付、演出、制作のために
  • 記録 : 優れた作品、伝統的な技法の保存のために
  • 解析 : 技法の分析、作品の研究のために
  • 娯楽 : 実演、作品を鑑賞して楽しむために
  • 批評 : 実演、作品を鑑賞して評価するために

(2) 3次元モーションデータの意義

3次元モーションデータは、 2次元の動画データ(通常のビデオデータ)と以下の点で異なります。
  • 視点を自由に変えて(変えながら)再生できる
  • 動きを現実とは異なる人体モデルにあてはめて再生できる
  • 動きを分解したり合成したり、自由に加工できる
  • 動き(振付や演出)をシミュレーションすることができる
  • 動きを数値で分析することができる
  • データを標準化すれば、動きや振付のデータを広く共有できる

本研究の目標は、モーションキャプチャシステムで採取した舞踊の3次元モーションデータを標準化し、 これをネットワーク上に蓄積してアーカイブ化することで、 教育、創作、批評など舞踊芸術をめぐる活動を広く支援することにあります。

長期的には、演出シミュレーションシステム、デジタルミュージアム、デジタルダンスシアター、 自動振付システムなどの開発も視野にいれています。


このサイトでの研究成果公開

このサイトでは、研究成果の一部として以下のようなものを公開します。

  • Web3D Dance Composer ver. 3.1(公開: 2004/07/03)
    バレエの基本ステップをリストから選び、これをつなげることで振付を作成し、 その振付を3DCGでシミュレーションできるシステムを開発し、 Javaアプレットとして提供しています。 ウェブブラウザにVRMLクライアントを組み込むことで、Web上で使用できるシステムです。 現在、"Web3D Dance Composer version 3.1" を公開中です。

    現在「Web3D Dance Composer ver.3.1 デモビデオ」を公開中。 約3分、38MbyteのMPEGムービーです。 (2004.7.3.公開)

  • バレエレッスン基本ステップ分類表(公開予定)
    振付を効率良く作成するために、基本ステップの分類を行いました。 まずは、女性の初級センターレッスンで使用される基本ステップを網羅的に集めて体系的に整理し、 独自に『バレエレッスン基本ステップ分類表』ver.1.1を完成させました。

    同時に、分類表のカテゴリーに対応する3次元モーションデータの収集を行っています。

    現在「バレエレッスン基本ステップ一覧」を公開中。583のステップの名称が英仏語で記載されています。 (2004.7.3.公開)

  • バレエレッスン基本ステップ表記法(公開予定)
    上記の『分類表』を使い、振付を効率的に作成し、 さらに振付データをテキスト形式で記述、保存、交換できるようにするために、 基本ステップと振付の符号化を行いました。 当面のターゲットは、『分類表』と同様、女性の初級センターレッスンです。

    この独自の符号化手法は未完成ですが、現在までの成果は 『バレエレッスン基本ステップ表記法』ver.1.0にまとめました。

  • 下村由理恵ソロダンスCG(公開: 2002/08/08)
    2001年秋に、日本を代表するバレエダンサーの下村由理恵さん のソロダンス(古典バレエ作品の女性ヴァリエーション数曲)と基本演技を収録し、 3DCGに加工しました。 このサイトでは、3次元モーションデータの加工例として、 下村さんの踊りを仮想の人体モデルにあてはめた3DCGサンプル (視点固定)を公開しています。

    あわせてモーションキャプチャシステムによる収録風景 も公開しています。

  • H-Anim バレエダンサー標準モデル(近日公開)
    本プロジェクトでは、 3次元モーションデータの記述に VRML H-Anim という規格を採用しています。 このH-Anim形式に準拠してモーションデータを記述するために、 バレエ動作の表現に適した人体の骨格構造を設定し、 実測値に基づいた関節(ジョイント)の位置座標のセットを提案しました。 さらに、バレエ用の3DCGキャラクタをモデリングしました。

    3DCGサンプルは、この標準モデルにあてはめて作ったものです。


発表論文

研究の詳細は、以下の発表論文を参照して下さい。

その他

関連する活動を以下に紹介します。

  • テレビ取材
    海野がテレビ番組のVTR取材を受けました。
       テレビ東京系(東京は12チャンネル)
       「芸術に恋して!」
       2002年7月12日午後10時〜(放送終了)
    この回のタイトルは「バレエ〜究極の肉体が作る美の世界」でした。 数分ですが 3DCGサンプルを使っての海野のコメントが放映されました。

  • 本のCGイラスト
    海野が分担執筆し、曽我がバレエ動作のCGイラストを作成した本が刊行されました。
       『鑑賞者のためのバレエ・ガイド』
       守山実花編, 音楽之友社, 2003年3月, 1600円
    この本の第2章「動きから見たバレエ」、p.29-45をご覧下さい。

  • 船井賞受賞
    曽我が第1回デジタルコンテンツシンポジウムで船井賞を受賞しました。
       第1回デジタルコンテンツシンポジウム,2005年5月26日
       タイトル「ウェブコンテンツとしてのダンスモーションアーカイブの構築と3DCG による振付・演出システム」
    発表内容は抄録をご覧ください。 デモムービー「Web3D Dance Composer」も期間限定で公開中です。


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